ドイツ
西ドイツ
西ドイツ(ドイツ連邦共和国)では第二次世界大戦後に徴兵制が廃止されていたが、冷戦構造が深刻化する中で1968年に徴兵制度が復活した。ドイツ連邦共和国基本法で満18歳以上[32]の男性に兵役の義務が定められた。ただし基本法(憲法)の中に良心的兵役拒否権が明文規定で保障されている。
東ドイツ
東ドイツ(ドイツ民主共和国)では、ベルリンの壁が構築された5ヶ月後の1962年1月に徴兵制が施行された。その際に兵役拒否者が続出した。兵役拒否者は逮捕され拘禁刑を受けるにもかかわらず2年で1,550名に及び、政府は対応を迫られた。教会は若者を支援し、良心的兵役拒否権を認めるよう政府に働きかけた。西ドイツではすでに良心的兵役拒否が、基本法に権利として保障されていた事情もあり、この点で東ドイツも政権の民主性を国際社会にアピールする必要があったため、1964年6月に「建設部隊」が人民軍内に設置された。この制度は、国家が兵役拒否する「反社会主義的」「反国家的」な若者も人民軍の中に取り込んでしまおうとしたものである。東ドイツは国家による諸組織に国民を組み込もうという包括的な社会統合政策が採用されており、建設部隊もその一環であった。武器を持たない新部隊は、当初「労働大隊」と名付けられたが、公文書に手書きで「労働大隊」を消して「建設部隊」と書き直された。「労働大隊」はナチス政権の懲罰組織を想起させるが、「建設」には前向きな響きがある。またこれまで存在しない新しい名前であったため、市民から偏見なく受け入れられた。しかし建設部隊の生活は厳しく、日常的になされる上官からの誹謗、嫌がらせ、軍事施設での任務、良心の自由が権利として認められない状況、除隊後の教育・就職差別があり、さらには建設兵士をも拒否すると法を犯すことになる。そこで建設兵士らは除隊後、建設部隊に入ることさえ拒んだ人と平和活動を始めた。
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統合後のドイツ
東西ドイツの統合後、兵役期間は次第に短縮され、2002年1月からは9ヶ月間と短くなっており良心的兵役拒否も基本法において明文化されている。兵役拒否者は兵役に代わって、老人介護施設での介護作業に従事などの社会福祉事業や環境保護活動、消防活動などに通常の兵役期間より長い期間奉仕することが求められていたが、2004年10月からは兵役期間と同じ9ヶ月間とされた。これらの義務は25歳までに果たす必要があるとされている。